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TPPの参加国一覧(2018年現在)とトランプ大統領や中国の動向について

TPP(アメリカを除く環太平洋経済連携協定)が2018年3月8日でチリのサンディアゴで参加11か国による署名式により新協定TPP11として2019年の発効に向け、大きな一歩を踏み出します。

2018年3月8日の署名式に臨む、参加国は以下の通りです。

当初は、アメリカも参加の予定でしたが、トランプ政権誕生と同時に離脱しています。

署名式の後に、正式名称”環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTTP)”として歩みを始めます。

協定が発効すると参加国間では、95%近い品目で関税が撤廃され、また税関の手続が簡素化されることで、モノ・サービスの国境を越えた取引が活発になることが見込まれています。



■TPPの参加国一覧(2018年現在)

・日本
・ペルー
・ブルネイ
・メキシコ
・カナダ
・マレーシア
・オーストラリア
・ベトナム
・ニュージーランド
・チリ
・シンガポール

上記以外の国では、韓国、インドネシア、タイ、フィリピンも参加に関心を示しているとされています。

また、EUを離脱するイギリスも参加に関心を示していると2018年に入り報じられました。
さらに大統領就任してすぐ”TPPから永遠に離脱する”と表明したトランプ大統領が、今年に入り、”TPPに復帰検討”の動きが伝えられ、流動的になっています。

■アメリカ・トランプ政権の動向について

アメリカ・トランプ政権は、TPPに限らず、北朝鮮問題も含め重要な政策課題について、担当者によって、言うことが異なり、本心・意図が読みにくくなっています。

ですので、トランプ大統領が”TPPに復帰検討”と言明したところで、どの程度、本気なのか現段階では不明です。

もし、アメリカがTPPに復帰するということになれば、新たな問題が生じます。

アメリカ抜きのTPP11では、新規参加国について、”お互いに合意した条件のもとで加入できる”というような抽象的な文面となっています。

貿易に関しては”注文の多い”トランプ大統領のことですから、復帰するとなれば、新たな条件を突きつけてくることは必至です。

そのとき、参加11カ国が足並みをそろえて対応できるのかが問われることになります。

そういう観点から、アメリカ・トランプ政権の動向次第でTPPが1から仕切りなおしという可能性もゼロではないと考えられます。



■中国のTPPへの参加は困難か?

TPPに参加していない国でその動向が注目されるのが中国ですが、そもそもTPPは中国に対する経済面からの安全保障という側面があり、参加は困難だとみられています。

外務省のHPで公表されているTPPの概要では、TPPの長期的な、戦略的意義について以下のように説明しています。

★TPPの長期的な、戦略的意義について

・自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値を共有する国々とと
もに貿易・投資の新たな基軸を打ち立てることにより、今後の世界の貿易・投資
ルールの新たなスタンダードを提供。

・アジア太平洋地域において、普遍的価値を共有する国々との間で経済的な相互依
存関係を深めていくことは、地域の成長・繁栄・安定にも資する。

上記の文面のうち、”自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値を共有する国々”という表現から、この価値観とは全く相容れない、国家資本主義的な経済運営を進める中国の参加は困難といえます。



■TPPが国民生活に与える影響

①食生活に大きな恩恵

TPPが発効することで、国民生活レベルでもっとも大きな影響は大半の輸入品が関税がゼロとなることです。

TPPの概要によれば、工業品と農水産物を合わせた全品目のうち、約95%が関税が最終的にゼロとなる見込みで、これが実現すれば、特に需要の多い輸入牛肉の価格がさがり、国民の食生活に大きな影響を与えることは必至です。

また、外食産業の食材コストが下がることで外食費用の低下も期待できます。

②衣料品には効果薄か?

現在、日本の衣料品輸入の約7割は中国からとなっています。

中国はTPPに参加しないため、農水産物のような恩恵は受けられないと見られています。

ただ、中国における人件費の高コスト化に伴い、衣料品生産のTPP参加国のベトナムへの移転が進めば、輸入衣料品の関税ゼロ等の恩恵を受けることが可能になります。

■TPPのメリットとは?

国レベルのTPPのメリットとしては、関税の引き下げにより、自動車等の価格競争力が増すことで日本製品の輸出の増加が期待できることがあげられます。

また、税関の手続の簡素化等により、貿易が活発化されることで商社や製造業、物流サービスを提供する企業が恩恵を受けることで経済活動の活性化が期待できます。

■TPPのデメリットとは?

関税が撤廃されることで、オーストラリアやニュージーランドなどから安い農作物が流入し、日本の農業に大きなダメージを与えることが危惧されています。

TPPについて、農業団体からの反対の声が大きいのは、このためです。

さらに、食品添加物や遺伝子組み換え食品などの規制緩和によって、食の安全が脅かされるリスクが高くなることが指摘されています。

■まとめ

TPPは、トランプ政権の離脱宣言で、空中分解する危機を迎えましたが、日本のリーダーシップにより、”アメリカ抜き”のTPP11として署名式を迎えることができました。

ただ、アメリカ抜きとなったことで、参加国の合計のGDPが約17%に低下したことで、世界的な影響力が低下したことは否めません。

また、気になることは日本政府や経済団体等が”TPPが発効すれば経済成長が加速する”と口を揃えて唱えていることです。

これまでも国・政府主導でさまざまな経済政策が実行されてきましたが、事前の予測通りの成果があげられたことは、ほとんどありません。

大半が見込み違いという結果に終わっています。

そうした観点から、TPPがうまく運営され、国民生活ひいては日本経済にプラス効果を与えることができるのか、気になるところです。

いずれにしろTPPが発効する2019年に国民生活に様々な影響が出てくることは必至です。

特に影響が大きいとされる牛肉やワイン等の輸入品の価格にどのような影響がでてくるのか、それによって国民生活にどの程度、変化するのかについて注目したいと思います。