荒川区西尾久にある東京女子医科大学東医療センターは、現在地からの移転を検討していましたが、2017年4月に足立区と”東医療センターの移転候補地を、足立区江北四丁目とする”ことを骨子とする覚書を締結。
2018年に入り、足立区江北への移転に向け、計画が具体化しています。
■東京女子医科大学東医療センターの移転の経緯
東京女子医科大学東医療センターは、老朽化等により現在地において、建て替え・リニューアルを検討していました。
しかし、地上を高圧線が、地下には高圧ケーブルが埋設されているなどの関係で、診療を継続しつつ現在地での建て替えは困難と判断。
そのため、7年ほど前から荒川区内で移転場所を模索してきましたが決定には至っていませんでした。
その後、足立区から江北エリアの都営住宅跡地を移転場所として提示したことが契機となり、足立区と東京女子医科大学との間で覚書を締結、移転計画が動きだしました。
足立区の平成30年度当初予算案によれば、東京女子医科大学東医療センターの移転スケジュールは下記のように計画されています。
■東京女子医科大学東医療センターの移転スケジュール
・2018年3月
用地取得(仮契約)
・2018年7月
用地取得(本契約)
・2021年度
病院開業予定
計画によれば、移転先の土地は足立区が取得。
その後東京女子医科大学に貸し付ける予定。
建築助成費は上限80億円、区が要望する病院機能の充実のための先進高額医療機器購入費助成として上限5億円などの内容で合意されています。
■東京女子医科大学東医療センター 病院概要(計画)
・移転先住所
足立区江北四丁目22,23番の都営住宅跡地
・最寄り駅
日暮里・舎人ライナー江北駅
・ベッド数
450床
・診療科目
未定
・開業時期
2021年度
■まとめ
足立区は人口約70万と東京23区の中で有数の人口を誇りながら、現在大学病院はありません。
区では江北エリアの最重要政策課題として東京女子医科大学東医療センターの移転に取り組んでいます。
そのため、移転費用として足立区は約70億円を負担する計画です。
一般に病院誘致は地元住民に恩恵が大きいこともあり、反対されるケースは少ないですが私立大学の病院の誘致に対する巨額な費用負担が適正かどうかという観点から、今後、注目を集めそうです。