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将棋タイトルホルダー一覧(2019年1月現在)と藤井七段のタイトル獲得の可能性について有段者が解説

2018年は、将棋タイトルの異動が激しかった年です。

そこで2019年1月現在の将棋タイトルホルダーと今後の展望、そして藤井聡太七段のタイトル獲得の可能性について、将棋有段者の視点でまとめてみました。

将棋界のタイトル戦の序列については、主に賞金額によって決定されています。
現在は竜王>名人>叡王>棋王>王位>王座>王将>棋聖となっています。

叡王戦は最も新しいタイトルですが、賞金額が高いため、上位の序列となっています。

従って、以下はこの序列に従います。


■プロ将棋タイトルホルダー一覧(2019年1月現在)

・竜王 広瀬章人

・名人 佐藤天彦

・叡王 高見泰地

・棋王 渡辺明

・王位 豊島将之

・王座 斎藤慎太郎

・王将 久保利明

・棋聖 豊島将之

※上記タイトルホルダーのうち、棋界最高峰のA級順位戦に在籍していないのは、斉藤王座(B級1組在籍)と高見泰地叡王(C級2組在籍)です。

特にプロの将棋界のおいて最も下位に相当するC級2組の棋士がタイトルを保有していることは異例です。

■2018年 第31期竜王戦 七番勝負の結果

羽生竜王が前人未到のタイトル100期を達成するのか無冠となるのか、例年以上に注目された第31期竜王戦は、フルセットの末、広瀬章人八段が4勝3敗で竜王を初めて奪取しました。

広瀬八段のタイトル奪取は王位に続き、2期目です。

★2018年 第31期竜王戦 結果

羽生善治竜王 3勝4敗 広瀬章人八段(タイトル奪取)

※七番勝負の時期
毎年、10月から12月

■2018年 第76期名人戦 七番勝負の結果

佐藤天彦名人に名人位を奪取された羽生現九段のリターンマッチでした。
羽生九段が先勝しましたが、佐藤名人が地力を発揮。防衛を果たしました。

これで佐藤名人は3期連続で名人位。あと2期名人位となれば、永世名人位に就く資格を得ます。

ただ、佐藤名人は他のタイトル戦では挑戦者になっておらず、佐藤時代を築くほどの成績を残せていません。

★2018年 第76期名人戦 結果

佐藤天彦名人(タイトル防衛) 4勝2敗 羽生善治竜王

※七番勝負の時期
毎年、4月から7月


■2018年 第3期叡王戦七番勝負の結果

叡王戦は、第3期から正式なタイトル戦となったため、挑戦者は存在せず、
7番勝負の勝者が初代叡王となりました。

この7番勝負C級1組在籍の金井恒太六段とC級2組在籍の高見泰地六段という
C級同士のタイトル戦という異例な展開でした。

タイトル戦でどちらもA級在籍の棋士でないことは異例です。

★2018年 第3期叡王戦 結果

高見泰地六段(タイトル奪取) 4勝0敗 金井恒太六段 

※七番勝負の時期
毎年、4月から6月

■2018年 第43期棋王戦五番勝負の結果

2018年にA級からB1級に陥落、竜王位も失冠して不調だった渡辺棋王が若手ホープの永瀬拓矢七段に最終局まで追い込まれましたが、なんとか防衛を果たしました。

★2018年 第43期棋王戦 結果

渡辺明棋王(防衛) 3勝2敗 永瀬拓矢七段

※七番勝負の時期
毎年、1月から2月

■2018年 第59期王位戦7番勝負 結果

菅井竜也前王位は、前年度の王位戦で羽生現九段から4勝1敗の大差でタイトルを奪取。
一躍若手実力派として頭角を現しましたが、将来の名人候補とされる豊島将之棋聖と熱戦を繰り広げましたが、防衛に失敗しました。

一方の豊島将之棋聖は、2冠目のタイトル獲得とようやく大器が本領発揮し始めたという感じです。

★2018年 第59期王位戦7番勝負 結果

菅井竜也王位 3勝4敗 豊島将之棋聖(タイトル奪取)

※七番勝負の時期
毎年、7月から9月


■2018年 第66期王座戦五番勝負の結果

中村前王座は、前年度の王座戦で羽生現九段から3勝1敗でタイトルを奪取。

一躍若手実力派として頭角を現しましたが、やはり若手ホープの斎藤慎太郎七段と熱戦を繰り広げた末、防衛に失敗しました。

斎藤慎太郎七段は、挑戦者決定トーナメントの準決勝で藤井聡太七段に逆転勝ちして波にのったことが今回のタイトル奪取につながりました。

逆に藤井七段が勝っていたら、藤井王座誕生の可能性高かったと思います。

★2018年 第66期王座戦五番勝負結果

中村太地王座 2勝3敗 斎藤慎太郎七段(タイトル奪取)

※五番勝負の時期
毎年、9月から10月

■2018年 第67期王将戦七番勝負結果

久保利明王将が2期連続で防衛しているところに若手ホープの豊島将之当時八段が挑戦。豊島八段は悲願のタイトル初奪取はなりませんでした。

★2018年 第67期王将戦七番勝負結果

久保利明王将(防衛) 4勝2敗 豊島将之八段

※七番勝負の時期
毎年、1月から3月


■2018年 第89期棋聖戦五番勝負結果

それまで10期連続で棋聖を保持していた羽生棋聖に豊島将之当時八段が挑戦。
フルセットの末、豊島八段が悲願のタイトル初奪取をはたしました。

2018年に羽生九段が27年ぶりの無冠となったのは、この棋聖戦で防衛に失敗したことが大きいです。

★2018年 第89期棋聖戦結果

羽生善治棋聖 2勝3敗 豊島将之八段(タイトル奪取)

※五番勝負の時期
毎年、6月から7月

以上のように2018年の将棋界は、タイトルの異動が頻繁だったことと若手棋士の台頭によりタイトルホルダーの世代交代が進み、羽生竜王が実に27年ぶりに無冠となるという激動の1年でした。

一方の注目の藤井聡太七段は2018年にはいっても驚異的な勝率をあげましたが、タイトル戦登場にはまだ1歩届きませんでした。

そこで、以下に藤井聡太七段のタイトル獲得の可能性について、その見通しについて、解説しました。

■藤井聡太七段のタイトル獲得の2019年における可能性

★竜王戦

藤井聡太七段は、竜王戦の予選に相当するランキング戦の4組に在籍しており、
この4組で優勝すれば、挑戦者決定トーナメントに進出。

さらに挑戦者決定トーナメントで勝ち抜けば挑戦者になることができます。

★名人戦

名人戦の挑戦者は、A級順位戦の在籍者のうち、成績が1位となった棋士がなるという仕組みのため、現在C級1組在籍の藤井七段が2019年度中に挑戦者になる可能性はゼロです。

★叡王戦

藤井七段は、第4期叡王戦の挑戦者決定トーナメントに進出しましたが、1回戦で斉藤王座に敗退したため、藤井七段が2019年中に挑戦者になる可能性はゼロです。


★棋王戦

2019年1月に行われる棋王戦の挑戦者には広瀬新竜王が決まっています。
従って、藤井七段が2019年中に挑戦者になる可能性はゼロです。

★王位戦

現在、第60期王位戦の予選が行われていますが、予選で山崎八段に敗退したため、藤井七段が2019年中に挑戦者になる可能性はゼロです。

★王座戦

現在、第67期王座戦は2次予選が行われています。藤井七段は、前期の王座戦挑戦者決定トーナメントで準決勝まで進んだため、予選免除。
従って、2019年中に挑戦者決定トーナメントで勝ち抜いて挑戦者になる可能性があります。

★王将戦

第69期王将戦は1次予選が行われています。藤井七段は1回戦から登場予定。
2019年1月に行われる七番勝負は、久保王将対渡辺棋王となっています。
従って、藤井七段が2019年中に挑戦者になる可能性はゼロです。

★棋聖戦

第90期棋聖戦は、現在2次予選が行われていて、藤井七段は予選決勝に進んでいます。
次の予選に勝てば、挑戦者決定トーナメントに進出することができます。
さらに勝ち進めば、2019年中に挑戦者になる可能性があります。

以上から藤井聡太七段の2019年中にタイトル獲得の可能性があるのは、竜王・王座・棋聖の3つになります。