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U.S. President elect Donald Trump speaks at election night rally in Manhattan, New York, U.S., November 9, 2016.  REUTERS/Mike Segar

トランプ大統領の日本への影響をメリット・デメリット面から分かりやすく解説

”もしトラ”なる言葉があったり、最新の週刊文春の国際関係を論じるコラムで”クリントン大統領”を前提に書いている元外交官の筆者がいたりと、これだけ世界の耳目を集めるアメリカ大統領選挙の予想が総崩れになったのは、自分の願望と予想がごちゃまぜになっていたからではないかと思います。




ところでトランプ大統領が現実となった今、就任後の影響について色々論じられています。その大半は、ダイレクトにトランプ氏のこれまでの言動から今後、どうなるのかを考察しています。

トランプ氏は異端といわれていますがそれでも共和党的な考え方に基づいて行動しています。ですので、トランプ氏の考え方に触れる前にそもそも共和党の政治信条はどのようなものであるかを知る必要があると思います。

■共和党の政治信条

①小さな政府志向

②反共=中国・ロシアに強硬姿勢

③銃規制反対

④ビジネスに関しては規制緩和

⑤移民に非寛容
対して、オバマ大統領やクリントン元国務長官が属する民主党の政治信条は

■民主党の政治信条

①大きな政府志向

②中国に融和的

③銃規制賛成

④ビジネスに関しては規制強化

⑤移民に寛容
というようにトランプ氏の共和党は、現オバマ大統領政権とは政治信条は正反対です。
このなかで”大きな政府”、”小さな政府”というのはわかりにくい
かもしれませんので簡単に補足しますと

大きな政府志向=国・政府は貧しい人にできるだけ手を差し伸べるべきという発想で”オバマケア”とよばれる医療保険制度はその象徴的な存在です。

これに対して小さな政府志向=国・政府は、国民に対して最小限のことだけをすれば良いとするスタンスです。

ですので、共和党政権は、銃規制とか、大企業に対する課税強化ということを嫌います。
オバマケアのような制度は”政府が余計なことをしている”ととらえており
実際、トランプ氏は大統領に就任したら廃止すると言及しています。

これまでみてきたように2大政党制といいながわ”どこに違いがあるのかよくわからない”日本の自民党と民進党と異なり、トランプ氏の共和党とオバマ・クリントンの民主党では根本的に政府の位置づけ・外交スタンスが全く異なります。

また、一見滅茶苦茶に思えるトランプ氏の言動も共和党的な政治信条を背景にしたものであることがわかります。

それでは、共和党のトランプ大統領が就任した場合の日本への影響をメリット、デメリットの両面から、予想を交えてまとめてみました。



■トランプ大統領の日本への影響 デメリット面

日本へのマイナスの影響で心配されるのはまず、防衛関係の問題です。

①防衛・安全保障面のデメリット
大統領選中に何度も言及していたように
トランプ氏は日米安全保障条約に基づく”日米同盟”について、

”アメリカが日本のために敵に攻撃している間、日本人はソニーのテレビでドラマをみている”に代表されるように”日本は安保にただ乗りしているのではないか”
”アメリカが日本に駐留するメリットがあるのか?

割に合わなければ撤退する”といようにこれまで歴代のアメリカの大統領が”暗黙の了解”として問題視してことなかったことに異を唱えていることです。

ですので、米軍の撤退は現実的ではないにしろ、駐留費の負担増といった形で金銭的な要求をしてくることが十分に考えられますので、防衛面・財政面から最大のデメリットになりそうです。

過去のアメリカの大統領で就任早々、日本ではなくお隣の駐留韓国米軍の撤退を唱えたカーター大統領(民主党)がいましたが、実現しませんでした。

トランプ氏はこれまでは候補者でしたので意図的に?大げさに物事を批判してきた面もあるのではないかと思いますが、いざ大統領になったら現実的になるのではないかと思います。

すくなくとも在日米軍の撤退というようなことはしないのではないかと思います。

②経済・ビジネス面のデメリット
経済・ビジネス面のデメリットとしてTPPの導入の見送りをあげる人が多いですがそもそもこのTPP、導入したところでどれくらいの経済効果があるのか専門家でも見方がわかれていますので、TPP自体はさほど影響ないのではないかと思います。

大統領選でトランプ氏が”東京でシボレーに乗っている日本人をみたことがあるか?”と問う等、日本との貿易の不公正・不釣り合いを問題にしており

むしろ、日本との貿易不均衡の問題について、実業界出身者らしいドライな切り口で解決を迫ることのほうが大きなデメリットとなりそうです。



■トランプ大統領の日本への影響 メリット面

①中国に強硬姿勢で日本にメリット
オバマ民主党政権は、色々な問題を抱えていても基本的には中国に対しては融和・対話路線で対峙してきました。

特にオバマ大統領の首席補佐官であるスーザン・ライス女史は親中派としてしられ、日本には1度しかきていないのに中国には家族連れでも訪問する等、親中派としてオバマ大統領の外交・防衛政策に大きな影響を与えてきました。

これに対し、トランプ氏と政権を担うことになる共和党は、基本的には中国には強硬なスタンスです。

アメリアが中国に強硬姿勢となる場合、日本をアジアにおけるパートナーとしての存在感が高まると思われますので、日本にとってメリットになると思います。

②共和党の大統領とは過去、良好な関係
これまでのアメリカの大統領選で、今回ほど”日本”が遡上にのぼったことはありませんでした。その発信源はほとんどトランプ氏でしたが。

トランプ氏は、興味のない国には言及しないようなキャラクターのようですので
好き嫌いは別として日本に興味があるとはいえそうです。

そもそもアメリカの大統領にすれば、日本はこちらが思っているほどウエイトは高くありません。ロシアのような潜在的な敵国ではないことが理由として大きいですが。

また、これまで日本の政府は、近いところでは”小泉・ブッシュ”の盟友関係、遠いところでは”中曽根・レーガン”のロン・ヤス関係と、いずれも共和党の大統領時代に良好な関係を維持してきています。

むしろ、オバマはともかく、クリントン大統領時代には日本はほぼ無視される等、民主党政権とは相性がわるいというのが通り相場でした。

ですので、トランプ氏と初期の段階で安倍首相が個人的に良好な関係を結ぶことができれば、案外、うまく行くのではないかと思います。



■まとめ

トランプ大統領を支える閣僚や補佐官の顔ぶれ、まだ全体的に不透明ですが
首席大統領補佐官にプリーバス共和党全国委員長を起用することが明らかになりました。

共和党の要職である全国委員長を側近に起用したことで
当初危ぶまれた”トランプ一派”での政権運営ではなく、共和党に基盤を置いた
政権運営していくことのあらわれともいえます。

ですので、世界中の人々が心配しているような”過激な政府”ではなく
トランプ氏は案外、安全運転で政府を運営していくのではないかと思います。