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スポーツの政治利用・卓球ならOKなの?@世界選手権でコリアチーム突如、実現

現在、スウェーデンで行われている卓球の世界選手権の女子団体戦で韓国と北朝鮮のチームが急遽、合同チームを結成、コリアとして準決勝で日本と対戦することになりました。
昭和世代のジジイとして、スポーツの政治利用というと思い出すのは1980年に行われたソ連(現在のロシア)モスクワオリンピックです。


■モスクワオリンピックでの政治利用とは?

★アフガニスタンへの軍事侵攻でオリンピックボイコットへ

モスクワオリンピックを翌年に控えた1979年。ソ連は、隣国のアフガニスタンに突如、軍事侵攻し、世界を驚かせました。

その当時は、世界はソ連を中心とする共産主義陣営(ポーランド、ハンガリー、ルーマニア、東ドイツ、ブルガリア、ベトナム、キューバ等)とアメリカを中心とする資本主義陣営(イギリス、フランス、西ドイツ、イタリア等)が厳しく対立する冷戦構造で世界政治が展開されていました。

そのため、アフガニスタン侵攻についてアメリカ、イギリス、西ドイツ等の主要国から厳しい非難を浴びました。

でも、当時のソ連は、強面でちょうど北朝鮮のような政治体制でしたので、どんなに非難を浴びても馬耳東風といった感じでした。

それで業を煮やしたアメリカの当時のカーター大統領が翌年のモスクワオリンピックのボイコットを呼びかけました。

その結果、イギリス、フランス等の主要国に加え日本もボイコットする決断をしました。また、同じ共産主義国でありながら犬猿の仲だった中国もボイコットに賛同したのです。

★当時の日本人選手の反応は

当時の日本人選手には、柔道の山下選手、マラソンの瀬古選手等金メダル間違いなしといわれた選手が何人もいました。

そのうち、レスリングの有力選手だった高田選手がボイコットに涙ながらに抗議したシーンが未だに脳裏に焼きついています。

要するに”オリンピックに政治を持ち込まないでほしい”という訴えでした。

★モスクワオリンピックはどうなった

モスクワオリンピックは、当時のソ連の影響力の強かった、東ドイツ、ルーマニア等の共産主義国が参加。
いうなれば、共産主義国のオリンピックのような格落ちした大会となりました。

結局、泣きをみたのは、メダル獲得を夢見て、過酷なトレーニングを積み重ねてきた選手たちでした。

この経験から、”オリンピックをはじめとしたスポーツのイベントに政治を持ち込むな”ということが世界中の人々に深く刻みこまれたものです。


■卓球の世界選手権・韓国・北朝鮮の政治利用はOK?

★これまで政治利用されてきた卓球

中国とアメリカは戦後、敵国関係にあり国交がありませんでした。

しかし1971年に愛知県体育館で開催された世界卓球選手権に、中国が参加。

その際、日米中選手団が交流。

大会直後に中国の招きで米国卓球チームの訪中が実現しました。

それを契機に72年のニクソン米大統領の訪中が実現、米中2国間の国交が結ばれるきっかけとなりました。

一連の出来事は卓球を介した外交ということで”ピンポン外交”と呼ばれました。

★韓国・北朝鮮と卓球

1991年に日本で開催された世界卓球選手権に韓国・北朝鮮は、コリアチームとして参加、話題となりました。

しかし、当時、敵対関係にあった2国間の関係が劇的に改善されることはありませんでした。

★韓国・北朝鮮の2018年におけるスポーツの政治利用

2018年に韓国・平昌で行われた冬季オリンピックでアイスホッケーチームが開幕直前に統一チームを結成。

また、金正恩氏の妹の金与正女史等の北朝鮮首脳が韓国を訪問、それまで戦争寸前とまでいわれた2国間関係が急速に改善されました。

これを契機に文韓国大統領と金正恩氏の板門店における南北首脳会談が実現。

さらにアメリカのトランプ大統領と金正恩氏との会談も実現する運びになりました。

1971年におけるピンポン外交を彷彿させるような動きです。

その流れを受けての卓球の世界選手権の団体戦で韓国と北朝鮮のチームが急遽、合同チームを結成ということになったのではないかと推測されます。

★スポーツの政治利用、平和目的ならOK?

昭和世代のジジイとしては、”韓国と北朝鮮は敵対関係にあるのが当たり前”という認識を持ち続けていましたので、最近の2国間の動きは、”嘘みたい”と思わざるをえません。

もちろん、そもそも同じ民族である両国の関係がスポーツをきっかけに改善され、アメリカとの核戦争、日本へのミサイル発射のリスクが低くなることは喜ばしいと思います。

ただ、”オリンピックをはじめとしたスポーツイベントが政治目的で利用する価値がある”という認識が世界中の政治家・独裁者に広まったことは否めません。

特に独裁者は、平和目的ではなく、自己の権力の維持、自国の利益のために今後、オリンピック等に政治介入する可能性が高まったのではないかと思います。

スポーツの主役である卓球の日本女子選手の立場からすると事前に韓国戦あるいは北朝鮮戦に備えてきたはずですので、急遽、戦略を練り直す必要があるでしょう。

今回、こうした選手の立場がないがしろにされている観は否めません。

どんなときでも”スポーツの政治利用を認めない・許さない”という原則を貫かないと泣きをみるのは選手だと思います。