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チバニアンの場所と行き方・正式決定は2018年半ばごろか?

チバニアンという言葉、知らない人のほうが多いと思います。中には妖怪ウォッチの新キャラかと思う人もいるかもしれません。



チバニアンとは、ラテン語で”千葉時代”という意味です。
チバは、千葉県の千葉のことで正確にいうと千葉県の市原市にある地層が
地球最後の「磁場逆転」の地層として注目されているのです。

■磁場逆転とは何?
現在、地球のどこでも磁石を手にすれば、N極は北、S極は南をさします。

これは、半ば常識の範疇ですが、実は、これまである特定の時代に、地球上でN極とS極が何回か逆転したことが確認されているのです。

具体的には、過去360万年の間に11回は磁場が逆転し、現在では、少なくとも2つの逆磁極期があったことが判明しています。

ちなみにこの磁場逆転を初めて発見したのは日本人で京都大学の教授だとされています。しかし、発見当初は、まともな扱いをされなかったようです。

後に、それが事実として世界の地質学で広く知られるようになり、現在に至っています。

■最後の磁気逆転の時期は約77万年前・逆転のメカニズムは不明
国立極地研究所を中心としたグループの研究によれば、より精密な年代決定を行った結果、最後の磁気逆転の時期は約77万年前と報告されています。

ちなみに”磁気逆転がなぜ起こるのか?”ということについては、いまだにそのメカニズムが解明されていないようです。

■なぜ、千葉(チバニアン)が注目されているのか?
千葉県市原市田淵の養老川沿いにある「千葉セクション」と呼ばれる地層は、地球で今まで何度も繰り返されてきた地磁気の逆転(地球のN極とS極が逆になる現象)が最後にあった約77万年前の地層として研究者の間で注目されているのです。
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千葉セクションが注目されているのは、約77万年前に起きたとされる地磁気の逆転の様子がよくわかるという研究者からの評価が高いことが理由です。

千葉セクションには、約77万年前に降った火山灰の層が含まれていて、火山灰層の辺りの地磁気は「現在とは逆向き」、その上は「磁場がふらふらしていて」、さらにその上が「現在と同じ向き」と変化していたことが確認できることが評価の高さにつながっているということです。

実際、千葉セクションの研究により、それまで最後の地磁気の逆転は約78万年前とされていたものが、約77万年前と実際には約1万年新しかったことが確認されたということで一躍注目を集めているのです。



■千葉セクションがチバニアンとなるには?
約46億年といわれる地球の歴史の中で、地質学は、大きな変化に伴ってできた地層を境に時代を区別して、恐竜が地球を闊歩していた「ジュラ紀」、「白亜紀」、「カンブリア紀」というようなくくりで時代を区分しています。
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中でもカンブリア紀は、現在の動物の種のほとんどすべてが出現したと考えられことからカンブリア爆発といわれ、テレビ番組名にも使用されるなど広く知られています。

時代を区分する代表的な地層、千葉セクションの場合は磁場逆転が確認できる地層であることが認められると、「ゴールデンスパイク(国際標準模式地を証徴する丸い金色の杭)」が打ち込まれ、同時にチバニアンと呼ばれることになります。

■ライバルのイタリアを退ける
ゴールデンスパイクが打たれた場所はこれまで世界65か所で、日本には1か所もありません。また、1つの時代区分で「ゴールデンスパイク」が打たれるのは世界で1か所だけという原則がありますので、現状では千葉セクションは有力候補であるけど、当選確実ではないといった状況でしたが、1次審査で日本は有力候補のイタリアを退けました。

イタリアは、イタリア南部の「モンタルバノ・ジョニカ」と「バレディ・マンチェ」の2か所がやはり、”磁場逆転が確認できる地層”ということをアピールしていましたが、日本の示した資料のほうが優れているという多数決によりイタリアは落選しました。

■正式決定は2018年に
千葉県市原市の養老川沿いある「千葉セクション」と呼ばれる地層を「チバニアン」と名付けることを目指す茨城大学などのグループは、「千葉セクション」に地球の磁場が逆転した痕跡があるのを見つけ、地球の歴史の一時代を代表する「国際標準地」に登録するよう、2017年6月、国際地質科学連合に申請しました。

その後、審査を行っている国際学会の作業部会から投票の結果、「千葉セクション」がイタリアの2つの候補地を破り、次の審査を行う委員会に「国際標準地」として答申することになったという連絡があったことを明らかにしました。

認められれば、地球の歴史のうちおよそ77万年前からおよそ12万6000年前までの時代が、ラテン語で千葉時代を意味する「チバニアン」と名付けられることになります。

正式に国際標準地に決まるためには今後、作業部会の上にある2つの委員会と国際地質科学連合の理事会での決定が必要で、最終的な結果が出るのは、2018年になる見込みです。

「千葉セクション」は、ライバルと目されていたイタリアの2つの土地を専門家による投票で退けたことで、「チバニアン」の実現が現実味を帯びてきたといえそうです。

まだ、さほど注目されていないチバニアンですが中には有名になる前に行っておきたいという人もいるようです。

チバニアンとネーミングされることが有力となった「千葉セクション」は千葉県市原市の養老川沿いにあります。

市原市は千葉市のお隣の市で、鉄道を利用する場合、東京駅からJR総武線快速で五井駅まで行き、小湊鐡道に乗り換えて、
月崎駅で下車することになります。

市原市はチバニアンについてわかりやすく説明した動画を作成しましたので下記からご覧ください。

■チバニアンの場所と行き方
・住所   千葉県市原市田淵(たぶち)の養老川沿い

・アクセス 小湊鉄道の月崎駅から2km

※田淵会館(住所、市原市田淵1165)から500m

・東京駅からの月崎駅までの所要時間・料金
約2時間20分 2,072円

※小湊鉄道は、1時間に2本程度しか運航していませんので
事前に時刻表を確認してから行くことをお薦めします。

朝日カルチャーセンター千葉では、12月1日にチバニアンに関する野外講座”房総を知るチバニアン探検”が行われます。

■房総を知るチバニアン探検
・講師名 千葉地理学会元会長 鎌田 正男

・講座内容
チバニアンに登録なるか、大変注目されている市原市田淵地区を訪ねます。崖の地層が教えてくれる70万年前の世界を自分の目で確かめましょう。また、鉄道では珍しく国の登録文化財である小湊鉄道を利用します。こちらも誕生以来100年変わらないローカル線の風情を感じてください。

・日時・期間 金曜 10:00-15:30 12/1 1回

・日程 2017年 12/1
現地集合、解散。

・受講料(税込み)
12月(1回)
会員 3,996円
一般 4,536円

・講師紹介 鎌田 正男 (カマタ マサオ)
千葉地理学会元会長。千葉の地理や歴史を再発見する講演や現地見学に取り組む。千葉日報「おもしろ半島ちば」連載執筆中。

↓詳細・申し込みはこちらから↓
https://www.asahiculture.jp/chiba/course/42750c34-2d3d-38d6-5358-5995296c309e
■コメント
下馬評ではイタリアがリードしているといわれていましたが、市原市が6割近い支持票を得て、チバニアンが実現する見通しが立ちました。

地球全体の一時期の時代の名前を”チバニアン”と名付けられることは、考えようによっては空港並みに増えてきた世界遺産よりはるかに
価値があると思います。

2018年の正式決定を待ちたいと思います。

千葉県は、千葉県浦安市に所在しているのに”東京ディズニーランド”、県内にあるのに”新東京国際空港”と東京にネーミングを横取り?されてきましたが、今回の”チバニアン”で一気に汚名挽回?が期待できそうです。

さすがに今回は”トウキョウニアン”とは呼べないでしょう。

正式決定したら、新たな観光資源として、首都圏で存在感が今一つ希薄?といわれる千葉県の魅力度がアップしそうです。